<お知らせ>
俵太との出会いのエピソードをお送りしています。
いままでの話→ 俵太との出会い(その1) (その2) (その3)をご覧ください♪
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リスとの暮らし...昔、そんな
かわいい世界♪で暮らしてみたいと思っていた。
森のリスさんに、ふさふさのシッポで顔を撫でられて「おはよう♪」と起こされ、ドングリを両手でかわいく持って食べてる姿を見ながら一緒にご飯を食べ、リスは私の周りを自由に走り、そして腕や肩にリスが乗ってきてくれて一緒に遊び、かわいい丸いお目々のリスと会話しながら暮らすのだ...。
しかし、現実に目の前でリスを見てみると、そんな絵本に出てくるような姿とはかけ離れていた。
店内にいたリスは、肩に乗ってきてはくれたけど、耳をケガしていて痛々しく、とにかく目に力がなかった。
そして汚い小屋の中のリスは、空気の悪い場所でお腹を空かせていた。
やっぱり絵本などに出てくるリスとの暮らしは、
所詮作り話で、実現することなんてあり得ない。現実は厳しそうだと感じていた。
次の日も、リスのことが脳裏から離れなかった。そしていろんなことを相当考え込んでいた。
そもそも、野生にいるべきリスを飼っていいのか。
可愛いリスが欲しいとか飼いたいという身勝手な欲求だけで、店で買っていいのか。
買うという行為は、結局売れるということになり、結果的に、あの汚い小屋のような現実を増やすのではないか。
かといって、もう店にはリスが売られている。しかも、悪い環境の中、他の動物たちと頑張っている現実がある。
このまま売れ残ると、あのリスはどうなるんだろう。いったいいつからあの店にいて、いつまであの店にいるんだろう。
今もあのリスは、お腹を空かせて、大量の殻の中から実の入ったひまわりの種を探しているんだろうか...。
その後、とりあえず、リスのことを何も知らないまま我が家に迎え入れるべきではないと考えた。金魚だって全て死なせてしまって、とても可哀相なことをしてしまったのだ。
そう思って、私は近所の本屋に向かった。
当時、インターネットがそんなに普及していない時代。私は、知識を集めるには本を購入するくらいしか手立てを知らなかった。
犬や猫に関するペット関連の本はたくさん出ていたが、リスに関する本はごくわずかしかなかった。
ほとんどが
小動物の飼い方というまとめ方をしていて、その中にハムスター・ウサギ・リス・フェレット・プレーリードッグ・チンチラ・モルモットなどに関する、飼い方の説明が数ページずつ載っていた。
何冊か見てみたのだが、店で見たリスが、
本に載っているどのハイイロリスの写真とも、似ているとは思えなかった。どうも同じ種類だとは思えないのだ。
どちらも目の周りに白い模様があって少し似ているといえば似ているのだが、本に載っているハイイロリスの写真はやはり体の色が灰色に近かった。店で見たリスの毛色は、茶色だったのだ。
しかし、あちこちの本で調べたのだが、あの店で見たリスに似ているリスの写真が見当たらない。やはりハイイロリスなのかな?本の写真写りのせいなのかな?
種類は疑問が残ったままとなった。
リスの飼い方というページは、どれも小さいシマリスをターゲットにした飼育方法しか書いていない。一冊、大型リスに関する記述が載ったものがあったが、内容はケージの大きさが違う程度で、ほとんど内容はシマリスと一緒であった。
しかし読んでいくうちに、とりあえずリスのエサが、
ひまわりの種だけではダメであることは明確だった。植物性のものと動物性のものをバランスよくあげるべきであると理解した。
そうして、あの店にいたリスがますます心配になってきた。(つづく)
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